株式会社ラーニング・ライツ

Columnコラム

弊社代表の学び(4):2013年〜2014年のトレーニングの足あと

2016年2月19日 トレーニングの足あと

2013年〜2014年のトレーニングの履歴を残しておきます。何か、皆さまの学習のお役に立てますように
研修から組織開発コンサルティングへと軸足を移して行く中で、組織の全体性や有機性という観点から学びが広がった時期。また、心理療法についても、自分なりにこれといった手法に出会えていなかったが、禅・東洋思想からの気づきから「マインドフルネス心理療法」にたどり着いた自分ではさらにダイナミックな転機となった時期。

2014年■ゲシュタルト療法を学ぶ 〜ゲシュタルト療法 株式会社チーム医療〜テーマ

長年、深耕している交流分析は「再決断療法」「ゲシュタルト療法」などと、親和性があり、人の行動変容に導く理論だと思う。ゲシュタルト療法には、「からだ」の感覚を非常に重視した一元論的なアプローチ(心身一如)である。ジェンドリンの「フォーカシング」を思わせる。肉体と精神はそもそも切り離せない。精神療法と言っても、言語や認知にだけフォーカスしているだけではどうしても回復には時間がかかってしまう。身体は、まだ言語化できない様々なメッセージを内包している。身体は無意識である。情報量も、情報処理能力も「顕在意識<潜在意識」であることを理解できれば、より一層、身体の声を聞ける人の方が自分の願う方向への成長を叶えられるだろうと思う。まず「今ここ」に不要な思考を鎮めて、身体の声を聞く。この年は、瞑想を通して自分でも実践を重ねて行くことになった。

2014年■組織開発を学ぶ(2)〜組織開発ラボラトリー「契約と働きかけ」南山大学〜

NTL Instituteメンバーであるパトリシア・ピドルパドゥヴァ先生を迎えて、ODマップ(オーソドックスな組織開発の一連の流れのようなもの)の中の、「契約」と「介入(働きかけ)」について学ぶラボラトリー形式の講座。組織開発の成否を分ける「契約」にあたり、コンサルタントとクライアントの間の境界(バウンダリー)の重要性がクリアになった。長年、葛藤の素となっていた境界の問題、その克服方法がクリアになって、ようやく自分の「あり方」に迷いがなくなってきた。エドガー・シャインの「プロセス・コンサルテーション」を繰り返し読みながら、組織開発のコンサルテーションと、その他のコンサルテーションの違いに衝撃を受けながら、これまでの自分の浅はかさを反省し、以降、葛藤やクライアントの抵抗時に自分のあり方を見直している。この講座での、たくさんの優れた組織開発実践者との出会いに感謝している。

2014年■ボディワークから洞察を得る(2)<ロルフィング>

長年、悩んできた腰痛について、従来の各種整体法では大きく改善できなかった。整形外科的な考え方から、不適切な身体の使い方を重力に逆らわない身体の使い方に再教育するという視点からアレクサンダーテクニークとロルフィングのどちらにしようか迷った挙げ句、ロルフィングのセッションを受ける(11回)。我々の日常の動作には、多くの筋肉が組織化されて動員されているわけだが、おそらく十分に動員できていないがために動きを制限したり、局部に負担をかけたりすることが起きる。我々の日常は、ケガの治療や回復、トレーニングにおいて「部分」を刺激したり、鍛えたりすることに執着しがちである。しかし、私たちの身体は部分と部分が想定外に連携し、さらに思考や感情と密接に絡んでいる。この有機性の体感が、組織を診る上での自分の揺るぎない「あり方」を生み出して行く。人や組織に、機械的にも有機的に、一元論的にアプローチしていくことの重要性を自分の身体で確信した。

2014年■組織開発を学ぶ(3)〜ヒューマン〜・リレーションラブ(Tグループ・)聖マーガレット生涯教育研究所〜

グループ・ダイナミクス研究の先駆者クルト・レヴィンによって開発され、組織開発実践者が一度は受けておきたいと言われるTグループ。集団心理療法としてや自他理解、リーダー育成などを目的として発展してきたが、合宿形式の学習に時間を割く余裕がない職場が多い中、講座の開催自体が減っている。5泊6日の濃密な時間。10名ほどのグループが共通体験と「今、ここ」の気づきのみをわかちあうというシンプルなセッションとその振り返り。本当にいろんなことが起きるようで、賛否が分かれるTグループであるが、他者との濃密な関わりの中で、自分を深い理解ができた。セッション以外のワークからも大きな気づきがあった。振り返りを促すトレーナーからグループへの介入のあり方を深く考えさせられた。アクションラーニングコーチや組織開発実践者のあり方や行動と重なる部分が多い。プロセスのどこに着眼し、どのタイミングで介入し、場を調えていくか、そしてどう振り返りを促すか、そんなところに組織開発実践者が受講するよう推奨される大きなポイントがあるように感じた。自分にとってはかけがえのない経験となった。

2014年■ホールシステムアプローチを学ぶ(2)<AI:アプリシエイティブ・インクワイアリー>

AIの創始者:ダイアナ・ホイットニー先生から直接学ぶ貴重な機会。組織のポジティブな文化、変化へ生み出すためにネガティブな点は扱わない。扱うのは、強み、希望、理想、夢、情熱。4Dサイクル(Discovery-Dream-Design-Destiny)のプロセス随所に盛り込まれたストーリーを共有するワークを重ねれば重ねるほど元気になっていくのがわかる。このようなプロセスをもっと多くの組織やチームが体験する必要がある。組織やチームのトップが、弱みの克服に力点を置いていると、このようなアプローチなど目に留まることはない。統制によるマネジメントに行き詰まっている組織やチームは、安全で安心な空間でのメンバーの対話が生み出して行く思考や行動の変化をもっと信じていくことだろうと思う。もっとこの方法をクライアントに紹介していきたい。

2014年■ホールシステムアプローチを学ぶ(3)<OST:オープン・スペース・テクノロジー>テーマ

過去に学んできたホールシステムアプローチとの決定的な違いは、テーマの設定を参加メンバーが決定するということ。選ばれた複数のテーマごとに分科会形式でグループディスカッションが進んで行くが、途中で別のグループへの参加も可能という自由度の高さがユニーク。メインファシリテーターのグループへの介入はほぼない。各グループのファシリテーターの力量にも左右される感は否めないが、自分で選んだテーマという点でメンバーの場へのコミットメントは高まる。他のホールシステムアプローチでもこういったテーマや問いの設定方法などに応用できる。メインファシリテーターはメンバーの自律性や可能性を信じきれるか試される感じがした。

2014年■アートセラピーを学ぶ〜コミュニケーション能力・チーム力を高める表現アートセラピー:日本産業カウンセラー協会〜

左脳は言語、数字などを用いて論理的に考え、右脳は、身体を通して表現する。ビジネスにおいては、論理的に説明がつかないことを軽視することが多々ある。直感、虫の知らせなどと言えば即却下という組織も多々あるだろう。しかし、右脳は左脳に比べ、遥かに多くのデータをストックし、瞬時に情報を処理する。到底、言葉が追いつかない。近年、心理療法だけでなく、ビジネス教育の中にも、即興劇や絵画、造形、詩や物語を作るなどのアートが取り入れられ、気づきを促すようになってきた。講座では、クレヨンやパステルで表現した作品に自分を映し出してみた。上手下手の評価や、過剰な自己分析はしない。他者へのフィードバックも求めなければ行わない。ナタリー・ロジャースによって広められたこの手法は、父であるカール・ロジャースに習って来談者中心である。心理的に安全な環境の中で、さまざまな感情がアートを通して表出してくる。真の問題解決や行動変容は感情抜きにしては叶わない。感情をもっと大事にしなければならない。

2014年■インナーチャイルドセラピーから洞察を得る〜インナーチャイルドセラピー(表現アートセラピー研究所)〜

私が長年にわたり深耕している交流分析は、精神分析の口語版とも言われ、私自身の心理の探求の仕方は、精神分析的なスタンスが強い。よって葛藤を伴う人生の転機に、とりわけ幼少期の原体験に向き合うことは、何度となく行ってきたが、臨床心理士の先生のもと、今回はアートセラピーを用いて向き合った。人は、幼少期の親・親代わりの大人、教師などとの関係から、子供なりに形成した信条をもとに後の人生の脚本を生きると言われるが、今一度、特定の家族との1対1の関係ではなく家族システムがどうだったか溯り、「機能不全家族」「アダルトチャイルド」といった気の重くなるような切り口から自分を見つめてみた。よくあることらしいが、過去のさまざまな体験とその時の感情の収集がつかなくなる期間をしばらく送る。先生にも恵まれ、他にも素晴らしい複数の良書との出会いもあり、結果として非常にスッキリした状態で4回のセッションを終える。アートの力、なかでも「左手で書く自分への手紙」からの洞察がパワフルであった。さらに自分の身体の痛みやこわばりの原因もわかり、ロルフィングのセッションと併せて、身体についての謎も解けた。非常につらい経験だったが、今さらながら他者の苦しみの理解を多少なりとも向上させることができるであろうと思った。

■2014年バウンダリー(境界)について学ぶ 〜バウンダリー(境界)ワーク (株式会社アスク・ヒューマン・ケア)〜

『コミュニケーションの問題は、バウンダリー(境界)の問題である』以前読んだ本の一文がずっと心に引っかかっていた。自他の間にある境界だけでなく、自分の中の感情、責任、お金、身体、性などの様々な境界について静かに省みた貴重な時間。受講者の大半は、バウンダリーが引けない理由が、幼少期の親や親代わりの大人との原体験にあることは認識済みのメンバーであったと思う。私も含めてまだ少なからず過去を生きているのだと思う。全ての子供が子供時代に子供として親の愛情を十分受け取ることができる訳ではないと思うが、強烈な体験から未だに自由になれない人は思った以上にいる。自分を抑圧したり、何かにのめり込みすぎたりしないで、自分の欲求、自分にとって大切なことを守る、他者ではなく自分に焦点をあてて自分を慈しむことといったことが癒されるインナーチャイルドのために必要だということ。インナーチャイルド人形を抱いてみると実感が倍増。自分も含め、アサーティブネスの獲得に苦慮する人たちのことがよりいっそう理解された。しみじみと心に残るワークショップだった。

■2014年:マインドフルネス心理療法:自己洞察瞑想法(SIMT)と西田哲学を学ぶ

長年、自分の中ではいくつかの心理療法を学んではいたものの、各種の面談にエッセンスを活かすのみで終わっていた。産業カウンセラーとしての責任範囲を逸脱しないためという自分なり制約を持っていたのだと思う。メンタルヘルスの改善には、身体を感じると同時に、身体への働きかけ(例:呼吸、筋肉や骨格)が近道であると感じており、身体心理学への関心を高めていた時に、この心理療法に出会った。自分なりに続けてきた瞑想とは、異なる瞑想法のトレーニングを重ねながら、背景にある難解な西田哲学を地道に学習を続けて行く日々を送り始めた。「西田哲学に近道なし」という言葉に出会ったが、怯まず学んでいる。これまで学んできた西洋で発展した行動科学の理論、心理療法、組織開発的な手法などに、禅を初めとする仏教哲学と西洋思想を統合した「西田哲学」の片鱗は常に見えている。いや、実際には包含しているのである。古いのに新しい。高次の意識レベルでの学習の中で、これまでのトレーニングを統合していくことになるのかもしれない。

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